マンガに精通する書店員らがその年一番のマンガを選ぶ「マンガ大賞2013」(実行委員会主催)が21日発表され、吉田秋生(よしだ・あきみ)さんのマンガ「海街diary(うみまちダイアリー)」が大賞に選ばれた。同作は08年のマンガ大賞に初ノミネートされたものの3位で大賞を逃し、今回2度目のノミネートで雪辱を果たした。
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授賞式に出席した吉田さんは、大賞の受賞に「(マンガ大賞は)友だちに勧めたい作品というコンセプトで選んでいただけたということなので、それはとてもうれしいし、光栄です」と喜びを語った。担当編集者の真島聡さんは大賞に決まり、「びっくりしました。まったく予想していなかったので。頑張って作品を作っているので多くの人に知っていただきたいし、読んでいただきたいと思っています。受賞はそのきっかけになるので、大変名誉だと思っています」と語った。
また、吉田さんは同作の映像化について聞かれると「映像化の話は来ていますが、具体的にはかかわっていないので私からは何とも……」といくつかオファーが来ていることを明かした。また、第2回マンガ大賞を受賞している「ちはやふる」の作者・末次由紀さんが質疑応答で手を挙げ、「あこがれの吉田先生に……。何の食べ物が好きですか?」と尋ねて、来場者を驚かせていた。
「海街diary」は、マンガ誌「月刊フラワーズ」(小学館)で06年に連載を開始。神奈川県鎌倉市を舞台に、香田家3姉妹と1人の異母妹の4人にスポットを当て、家族の絆を描いている。07年度の文化庁メディア芸術祭マンガ部門の優秀賞も受賞している。
マンガ大賞は、マンガに精通しているニッポン放送の吉田尚記アナウンサーと業界のカリスマ書店員らを中心に08年に創設された賞で、出版社が選考に関与しないのが特徴。12年1月1日~12月31日にコミックスが出版された、過去の大賞作は除いた通巻8巻以内のマンガが対象となる。103人の選考員から選ばれた上位11作品を、94人が全て読み、1位を3ポイント(P)、2位を2P、3位を1Pと採点して選出した。
過去の大賞は、08年が石塚真一さんの「岳」(小学館)、09年は末次由紀さんの「ちはやふる」(講談社)、10年はヤマザキマリさんの「テルマエ・ロマエ」(エンターブレイン)、11年は羽海野チカさんの「3月のライオン」(白泉社)、12年は荒川弘さんの「銀の匙」(小学館)が選ばれており、いずれも受賞後に発行部数が急増する売れ行きをみせている。(毎日新聞デジタル)
「海街diary」吉田秋生(89)▽「乙嫁語り」森薫(78)▽「ボールルームへようこそ」 竹内友(78)▽「ハイスコアガール」押切蓮介(62)▽「俺物語!!」 原作・河原和音、作画・アルコ(58)▽「暗殺教室」松井優征(40)▽「九井諒子作品集 竜のかわいい七つの子」九井諒子(36)▽「人間仮免中」卯月妙子(35)▽「テラフォーマーズ」原作・貴家悠、作画・橘賢一(30)▽「山賊ダイアリー」岡本健太郎(29)▽ぼくらのフンカ祭」真造圭伍(29)
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